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玖珠盆地の南側に、「万年山」と書いて「はねやま」と呼ばれている山がある。柱状節理が見事な山で、山野南面は断崖絶壁となっている山だ。
この山を最初に訪ねたのは紅葉の美しい2017年の11月、法善寺側から山頂を目指した。山の南東にある黒猪鹿の集落から、林道と九州自然歩道を辿って山頂台地に上がると、忽然と登山道が消えていた。柱状節理の上に広がるテーブル状の台地には、笹が密生し踏み跡も不鮮明。当時はGPSも所持していなかったし、帰路の目印にするテープも持参していなかった。結局下山路が不安になり、この時は山頂目前での撤退となった。
再度万年山を訪問したのが2019年1月、今度は確実に頂を踏もうと、北東にある吉武台牧場側から登る事にする。北側の林道を辿って吉武台牧場まで車で入り、此処から再度山頂を目指す事にした。牧場の作業道を上がっていくと次第に視界が開け、眼下に玖珠盆地が一望できる様になる。台地状の万年山の山頂部が見える様になると、程なく避難小屋を通過して林道終点となった。此処からは300段の階段道だ。ミヤマキリシマの咲く頃は、大勢の登山者があるのだろう。登山道は過剰な程に整備されていて、階段が終わると広々とした山頂に到着した。
冬晴れの一日で、南東に九重連山、東に由布岳、北に玖珠盆地が望める山頂は気持ちが良い。南東方向には、2017年に辿り着いた辺りの笹原が、すぐ近くに見降ろせた。本当にすぐ近くまで来ていたのだなと、改めて確認しながら、漸く展望の頂に立てた事の嬉しさをかみしめた。
(記 平尾 肇)
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