山旅の記録
(シニア百090)

    不入山  −四万十源流の頂に登る
    日程:2010年10月29日 
      (掲載日:2025年11
月20日)


槙尾根コース分岐

紅葉色の登山道

不入山の一等三角点

不入山の山頂にて

山頂の石祠

 *写真はクリックすると拡大します。 


 不入山の登山口に着いたのは10時過ぎ。小雨が降っていた。登山口出発は10時28分。未舗装の林道は緩やかな登りとなっている。轍はあるが、左右背の高い草が生い茂り、身体に当たって気持が悪い。「森の巨人たち100選」の「四万十川源流のモミ」(樹高11m)への道を左に分けるが、私たちはそのまま通過した。
 40分ほどで林道歩きが終わり、水場を過ぎるといよいよ登山道となる。ゴロタ石の狭い道をトラバース気味に登る。ほどなく「四万十川源流コース」との分岐に出た。すぐ続いて「上幽谷コース」「右槙尾根コース(オススメ)」の木の道標が現れた。第二の分岐点だ。地元の山仲間お薦めの槙尾根コースを選んだ。岩混じりの稜線を行く。ジグザグに急登すると、コウヤマキ(高野槙)の巨木が現れた。辺り一面にコウヤマキの落ち葉が散り敷いている。カラマツと異なり葉が大きく太いので、踏んで歩くと絨毯の上を行くようで気持がよい。コウヤマキの落ち葉はコース中頻繁に現れた。
 岩っぽいシャクナゲ尾根を急登する。なるほどシャクナゲが多い。だがここでも花芽は少なかった。さきほどパスした幽谷コースとの合流点に出た。復路はここまで戻るのだ。巨岩を太い根で抱えたコウヤマキなどが次々現れる。足元は異様だが、幹はすっくと伸びている。樹木の力は凄いものだ。倒木を跨いで越えるが、黒いクラゲのようなツキヨタケが一杯付いていて気持ちが悪い。載らないよう触らないようにして通過した。太郎坊なるヒノキの巨木が立っていた。巨大なオブジェのようだ。
 痩せ尾根の岩場を行くようになる、ここからが長かった。ロープもある。岩に咲くリンドウも寒気に当てられたか色を失っているものが多い。休むと寒いのでそのまま登り続けた。 そしてついに不入山の山頂に飛び出した。12時59分。2時間31分のアルバイトだった。一等三角点標石にタッチすると、各自思い思いに昼食をとる。石の祠に丸木の仏様が立てかけられていた。どなたであろうか。あるいは仏でなく水神様か。同行の仲間から栗の渋皮煮をいただく。大きい栗でとても美味だった。
 今が盛りの紅葉を楽しみながら、幽谷コースとの分岐に戻る。幽谷コースと聞いて危険を感じる者もいたが、最短コースで危険はないといわれ幽谷コースを下ることになった。たしかに岩壁の間のルンゼをバラスのような岩を踏んで急下降するが、滑るようなこともなく安全な道だった。ただ何せ急斜面なので登りにとるのはきついだろう。40分ほどで槙尾根コースとの分岐に戻った。なるほど早い。林道を歩き、駐車地点に戻ったのは15時40分。意外に手強い山だった。下山の後は「かんぽの宿伊野」へ移動。仁淀川の川畔に建つ立派な施設で、温泉(仁淀川伊野温泉)もあり、料理も美味しい。酒宴を開き、登頂を祝いあった。
                               

                                          (記 山本 進吾)