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「伊那富士」の別名のある戸倉山の登山口を、10時丁度に歩き始める。アカマツ混じりのヒノキ林を急登。20分ほど汗を絞られたところで「ミツバツツジ保護区伊那百名山の会」の標識を見る。伊那にも百名山があるということだろうが、どんな山が入っているのだろうか。樹木名を記した標識が次々現われる。ブナ、ネジキ、マツ、ウリハダカエデ、ミツバツツジ、リョウブ、ミズナラ、ブナ、コアジサイ、コナラ、シラカバ、クリなどである。樹相がカラマツに変わると「馬止ノ松」に出た。ここから先は馬も行けない急登となるのだとか。なるほど急斜面をジグザグに急登する。
登山者を追い抜きながら登って行くと、ほどなく「上の森コース分岐」に出た。右から登山道が上って来ている。ヒノキにシラカバ、ミズナラが混じるようになる。五合目からは合目標識が出るようになった。ミズナラ、アカマツ、ウリハダカエデなどの美しい樹林を登り、六合目の先のベンチに着くと中央アルプス方面の展望が開けていた。傾斜が緩むと、沢コース分岐となる「猿の松」、「天狗伝説の岩」が立て続けに現われる。何の変哲もないマツだが、猿の恩返しの伝説があるそうだ。左がミズナラ、右がカラマツの 樹林を緩やかに登ると、七合目。ワンピッチで東屋に出た。大鍋が柱にかけられ、炊爨した跡もある。「金明水」の標示があり、水も管から流れているが、駒ケ根市役 所の「クリプトスポリジウム原虫が発見されたので戸倉山キャンプ場ともども飲用禁止」との札が付けられていたので、怖いので手を洗うにとどめる。
戸倉山西峰に着いたのは11時22分。『新・分県登山ガイド長野県の山』のコースタイムは2時間25分、1時間以上短縮したことになる。私たちはこのごろコースタイムの2割増しを目安にしているので、大甘の時間設定ではないか。ダケカンバの巨木の下に不動明王や摩利支天尊が鎮座している。カワラナデシコが1輪可憐な花を咲かせていた。北アルプス方面が開けているが、スカイラインが雲に隠れているのが惜しかった。南アルプス方面は樹木に遮られ双児山しか見ることは叶わなかった。立派な山名表
示の看板が南北に1対置かれているのにもったいないことだ。裏に回り、東峰を目指す。一等三角点標石の埋設された東峰に立ったのは11時29分。残念ながら樹木に遮られて展望は得られない。十蔵(とくら)
薬師如来座像が安置されていて、新しい石像のようで風化せず麗しいお顔だった。一等三角点に触れて、西峰に戻る。右手に「龍東遊歩道」の標識があり道が下っているが、登山道に合流するかどうか分からない。来た道を戻ることにした。
(記 山本 進吾)
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