山旅の記録
(シニア百032)

    小野子山  −北関東を一望する頂へ
    日程:2013年3月14日 
      (掲載日:2026年1
月20日)


登山口付近にて

山頂への標識

残雪の斜面が現れた

小野山の山頂に到着

山頂からの展望

 *写真はクリックすると拡大します。 


 前年の12月に十二ヶ岳、中ノ岳を歩いたが、小野子山との間の深い谷に気勢を 削がれ、日照時間が短いこともあって断念し無念な思いが残った。小野子三山を登らないとシニア百山完登とはいえない。そこで3月に同じメンバーで登ることにした。小野子山は『日本山岳ルーツ大辞典』(竹書房)によれば「東にある子持山、姿が女 性的なのに対し、男性的なこの山を男子(おのこ)山、小野子山と呼んだ」とある。た しかに南面から見ればすっくと立ち上がった様は雄々しくもある。
 登山口に着いたのは8時半過ぎ、路肩に駐車させた。身支度を整えて歩き始めたのは8時50分。ヒノキの植林帯を緩やかに登ると、舗装された車道に出た。道標によれば、登山口から15分で530m歩いたらしい。山頂までの残りが1930mあるようだ。雪が載ってつるつるに凍っているところもある。コースタイム1時間15分では到底行き着かないだろうと観念した。
 車道は次第に傾斜を増して息が切れる。それでも頑張ること10分で分岐に出た。車道は右に延び、左に登山道が上がっている。ヒノキの樹林の中、凍ったところを慎重に 避けながら登った。急斜面と緩斜面が交互に出る。分岐に出た。右にとればゴヨウツツジへの道。家人が先に立って行きかけるが、雪の上にしっかりした踏み跡があるので戻ってもらい、急斜面を直登することにした。凍った急斜面をアイゼンなしで登るのでなかなか捗らない。ロープを頼りに登るが、ここで 3人に置いて行かれてしまった。前方にピークが見えるが、山頂にしては距離が短か過ぎる。登ってみると案の定前山(P1)だった。まだまだ先に高みがある。緩やかなアップダウンをこなして次のピーク(P2)に立ってもまだ先があった。
 P2を越え、鞍部から登り返して小野子山の山頂に立ったのは10時36分、1時間46分かかった。コースタイムを超過したが、これでまた1座を稼ぐことができた。喜びがじんわりと湧いてくる。南方向を眺めると、榛名山が大きい。最高峰の掃部ヶ岳の左に烏帽子岳、榛名富士、 水沢山などが眺められる。右奥には八ヶ岳連峰がノコギリのようなスカイラインを見せていた。さらに右(西)に目を転じると、雪白の浅間山が鼻曲山や浅間隠山を従えて特徴的な山容で立ち上がっている。かつて二度上峠の雪の上に幕営し大宴会をしたことを懐かしく思い出す。手前のコブは岩櫃山だ。山名表示盤には白 根山、横手山、白砂山、苗場山が見えるとあるが、山座同定することは叶わなかった。反対方向、北東方面に平ヶ岳、至仏山、燧ヶ岳、上州武尊山などが見えるらしいが、吹雪いているのかまったく姿を見ることができない。
 晴れ渡った空の下、展望を十分楽しんだあと、おにぎりを2個腹に収める。朝食が5時過ぎだったので小腹が空いていたがこれで一息吐いた。腰を上げたのは11時14分。軽アイゼン(6本爪)を装着して下り始める。分岐でゴヨウツツジへの道をとった。標識にはゴヨウツツジまで60mとあったが、 凍った雪と格闘した所為だろうかもう少し長いような気がした。ゴヨウツツジは「姉妹 ツツジ」として群馬県の天然記念物に指定されていたが、その後妹ツツジが枯れて「高山のゴヨウツツジ」に標識が付け替えられていた。目通り1.3m、樹高5.8m、根周り1.4mの堂々たる巨樹で、推定樹齢が800年だとか。たくさんの花を付けたときにもう一度来てみたいものだ。
 直登を選んだ分岐に戻る。ナラやツツジの自然林を緩やかに下る。風が冷たいが、稜線を外れ右に折れて斜面を巻くようになると風が止み、ぽかぽかと暖かいプロムナードとなった。ただヒノキの樹林帯に入ると、雪が凍結し歩くのに注意が要った。それにしてもアイゼンは素晴らしい武器だ。持って来なければ倍は時間を要したろう。赤芝登山口に戻ったのは12時55分。4時間の山だった。
                               

                                          (記 山本 進吾)