*写真はクリックすると拡大します。
猪苗代磐悌高原ICを出て、登山口の猫魔八方台に着いたのは8時前。猫魔八方台から、黄葉の始まったブナ林を緩やかに登る。猫魔八方台の標高が1,240mなので、猫魔ヶ岳まで標高差164m、水平移動に近い。落ち葉を踏む道で柔らかく足に優しいプロムナードといったところだ。大して汗もかかずにスキーリフトの上に出る。動いていた。おそらく冬季営業前の点検作業をしているのだろう。「猫魔ヶ岳1.0km
猫魔八方台1.0km」の標識があった。ここからは稜線伝いに低灌木の道を行く。
いくつかの緩やかなアップダウンと少々の急登をこなすと、コブに立つ。展望が一気に開けて磐悌山と猪苗代湖が一望できた。緩やかに下り、木の階段道を急登する。最後は岩を掴んで登ると、猫魔ヶ岳山頂だった。遮るもののない大展望が広がっている。眼前に猪苗代湖が広がり、左には磐悌山が大きい。案内には吾妻連峰や飯豊連峰も望むことができるとあるが、この天気でそれを望むのは欲深すぎるというものだろう。雄国山方面の縦走路を少し進むと、一等三角点標石があった。思いもかけないプレゼントである。眼下には雄国沼が広がり、ニッコウキスゲやレンゲツツジのころはさぞかしと思われた。
空は次第に晴れ間が広がって来たが、今日は家で晩飯を食べるつもりなので、涙を呑んで下山にかかった。下山すると、登りでは乗用車3台だけだったのに大型バス3台、乗用車22台になっていた。やはり凄い人気だ。さすが日本百名山というところか。これだけのハイカーがいて、猫魔ヶ岳に登る人が一人もいないというのも痛快ではある。
(記 山本 進吾)
|