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七時雨山は奥羽山脈の北部に位置し、広々とした田代平高原に屹立する形の良い山である。天気が変わりやすい事から「七時雨」と名付けられたといわれているが、何かしらロマンを感じさせる山名から、一度登りたいと思っていた山だ。
最初に近くを訪れたのは2010年の5月連休、ただ天気が悪く強風で、残雪も沢山残っていた事もあり入山を諦めた。
天候も安定してきた5月中旬に再度訪問し、山頂を目指すことにした。登山口のある田代平高原の牧草地は、雪が消えて大山桜が綺麗な花を咲かせている。桜に見送られて牧草地を進み登山口を目指した。湿地帯の牧草地を抜けると、牧柵ゲートが現れる。人が通る時だけ開閉する仕組みになっていた。ゲートを越えるといよいよ登山道らしくなる。明るいブナやミズナラの林の登ってゆくが、未だ葉が茂っておらず、木々の間から遠くの景色を見渡す事が出来た。向きを変えながら稜線を登っていく登山道は、傾斜も緩く、とても歩き易い道だった。
尾根道は途中で90度右に折れ北峰へと登ってゆくが、飽きの来ない道で気分よく登ってゆくと、北峰の手前辺りから登山道には残雪が現れる様になる。ただ登る人の多い山らしく、雪は踏み固められていて、深く足が埋まる事は無かった。北峰から笹原の間を一旦鞍部に下り、登り返した処が七時雨山の山頂だ。山頂からは姫神山、岩手山、そして青森へと続く山々を一望する事が出来た。標高1063mと決して高い山ではないが、青森と岩手の境にあって真近に視界を遮る高い山が無いことから、実に開放的な大展望を得られる七時雨山。今度は季節を変えて、登ってみたいものである。
(記 平尾 肇)
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