おしどり夫妻 伊東守・敬子さんの ライフスタイル ― 山楽の仲間に聞く(4)― 掲載日: 2005.12.25 |
(箱根の金時山頂にて) |
過去3回の「山楽の仲間に聞く」は、インタビューする側が2〜3人でしたが、今回初めて単独インタビューアー。深田クラブ主催の山行に、ほぼご夫妻で参加のお2人です。夫の守さんが私と同郷の静岡県出身とわかり、さらに親しみが加わりました。(守さんをM、敬子さんをKと略称) Q 山に興味を持つようになられたのは、いつ頃ですか? M 大学を卒業して勤め始めてからですね。最初の頃は、夏休みに北アルプスヘ行くくらいでした。近くの山を含めても年2〜3回。 Q 学生時代の方が暇で、いろいろできそうな気がするんですが・・・。 K 主人が大学生の頃は、まだ気軽に山登りできるような時代ではなかったんじゃないですか? M 同年配で学生時代に山登りをした人は大勢いますが、私には山登りの趣味はなかった。 Q 大学生の時の楽しみは何だったんですか? M これというものはなかった。夏休みに故郷に帰れるのが楽しみ。それくらいですね。 Q 山に登るようになったきっかけは? M 槍ケ岳や穂高岳なんか、誰でも知っている有名な山の綺麗な写真を見たり、話を聞いたりするうちに、登りたくなったんですよ。 職場の先輩に誘われて西穂独標に行ったのが最初。そのうち一人でも行くようになりました。 Q 地図の見方もご存知なかったんですか? M あまり詳しくなかったと思います。 Q 奥様の方はいかがですか? K 私は中学卒業した翌日、担任の先生に棒ノ析山に連れてってもらってから。その頃はもう尾瀬だとかね、いろいろ駅に広告が出ていましたから。尾瀬に行ってみたいとか、どこかに行ってみたいとか思っているうちに・・・・。 Q 棒ノ折山は私も職場の同僚に連れていってもらった最初の山で、思い出があります。初心者向けですね。 K 今はもう全然違う山になっていますね。杉がおい茂って何にも見えない山に・・・。 Q ところで、お2人は「山」がとりもつご縁ですか? M いや、それはつきあい出してから、話しているうちに2人とも山が嫌いでないということがわかったんです。 Q 最初は個人的に山登りをされていたわけですね。「深田クラプ」に入ろうと思われたきっかけは何だったのでしょう? M 元事務局長の小塩さんが「日本経済新聞」に、深田クラブのことを書かれたんですよ。それを読んで興味を持ったのが最初。それ以前から好きで山に登っていたわけですが、目標があった方が良いと思うようになった。百名山完登を目指すことにし、深田クラブに入ればそれができると思ったんです。ところが、誰かが連れて行ってくれるわけでもないし、情報とかアドバイスをもらえるのが良かった。 Q 深田クラブの初期の頃は百名山完登を目標の一つに掲げていたので、入会すれば百名山に連れて行ってくれるだろうと誤解されていたようです。今でこそ、カルチャークラプを前面に打ち出していますが・・・。それで深田クラブに入られていかがでしたか? K 最初の会合の時に、完登した方が大勢おられ、誰々さんが70、誰々さんが80いくつだとか聞くと、私たちも登らなくちゃーと思った。連れてってもらうという感じはなかったけれども・・・。 Q 百名山を完登したいと思う気持ちの根本は何なんでしょう? M 目標達成意欲ってあるじゃないですか。 K 日本で百山に選ばれている山ですから、いい山が多いですし、登りたいと思いましたね。でも、30、40しか登っていない時は、まだ百いけるとは思えなかった。M 50山目が鹿島槍ケ岳で、その時点でこれは百いけそうかなと思った。 Q ところで、今話題の岩崎元郎氏の「新日本百名山」についてはいかがですか? M ぼくらは岩崎さんを良く知っているし、一緒に山にも登っています。各県から一山ということで、それなりに意味はあると思います。 K 岩崎さんは、百名山に自分の好きな一山を加えて、百一名山と言われてます。百一名山教室というのもあります。 M 最近百名山ブームで北海道百名山などいろいろな百名山がありますね。それはそれで目標を設定できていいんじやないですか?この間の例会で聞いた加藤さんの話にあるように『傷だらけの百名山』という問題もありますが。 K 暑気払いの時に加藤久晴さんの話を聞いたんです。 M 家内の同級生だった方で、30分の講演をお願いしました。 Q 奥様といつ頃の同級生ですか? K 小学校中学校が一緒で、日本テレビのディレクターだったのですが、今は東海大学の教授。『傷だらけの百名山』の著者で、『新』と『続』を含めて3冊が文庫本になりました。皆さんにもお読みいただきたいと思います。 Q他にご趣味は? M 最近はJRの「駅からハイキング」に参加しています。あと、もともと書くのが好きなので、山に登ると体験記や山行報告などを書いて投稿しています。以前、朝日新聞に「山」のぺ−ジがあった時は、何回か掲截されました。今は「新ハイキング」に送っています。 K 私は洋裁とゴルフ。 Q 絵もお描きになるんですよね。前に表紙に使わせて頂いたこともありました。最後に、日常生活で心がけていらっしゃることがあったら教えて下さい。 M 健康第一を考えています。 Q 健康でなかったら何もできませんもの。健康維持のために何かされていますか? M ぼくはジムで毎日トレーニングしています。 Q すごいですね。奥様の方は? K 洋裁での目の疲れと肩こりをほぐす為にゴルフをやっています。 Q ゴルフで山に行くための体力作りは羨ましい。今日はありがとうございました。 11時半に地下鉄有楽町線の月島駅で待ち合わせ、私の住むマンションの33Fロビーで2時間ほど。昼食にスシをつまみながらの「おしゃべり会」といった感じで、楽しいひとときでした。終了後、隅田川沿いを聖路加ガーデンまで散歩しながら、戦争中の話や映画の話など、つきることがありませんでした。敬子さんはでしゃばらず、夫の話に注釈を加える程度。絵に描いたような夫婦とは、まさしくこのお2人のことではないのかと思ったほどです。(作成者 渡辺恵美子) |