山日記から   
               (烏帽子岳、野口五郎岳、水晶岳、赤牛岳)
                                 (撮影日  2004年8月上旬)


晶岳を望む(槍ケ岳は雲の中)
*8月8日(日)(晴のち曇・雷雨1回)
 高瀬ダムまでタクシー、7時登山開始。アルプス三大急登だけあって休んでいる人も多く、ゆっくり登る。烏帽子小屋で一休みして烏帽子の山頂へ。360度のパノラマだが、野口五郎岳方面に黒い雲がでてきたので野口五郎小屋へ急ぐ。お花畑にはウスユキ草やチングルマの穂が風になびき、その中でキンバイやウサギギクの黄色が一際鮮やかだった。途中で雨と雷に難儀するも小屋着16時40分。ご来光を期待して19時就眠。2畳に3人。

*8月9日(月)(晴のち曇、雨2回)
 3時半出発。赤牛岳の登頂を思うと心が弾む。野口五郎の山頂は小屋の同宿者と2人だけ。肌寒い澄んだ空気の中を最高の気分で一人水晶岳へ急ぐ。途中朝焼けが野口五郎岳の上空を鮮やかに染め、槍ヶ岳も一瞬染まった。水晶小屋で朝食を済ませ7時30分に赤牛岳を目指す。
 赤牛岳が「早く来いよ」と手招くようで胸が躍る。水晶岳から花こそ少ないが実に雄大な景観だ。山頂からは昨日歩いた稜線や薬師岳が望まれたが、水晶岳は生憎ガスの中。

 10年振りの裏銀座コースで、北アルプスの主峰が見え隠れする景観に感激し、黒部ダムへ下る予定を変更して水晶小屋へ戻る。 途中雨の中の1人歩きは心細かった。小屋着14時半。「予約が多い・・」とのことで、宿泊困難の雰囲気を察知し、野口五郎小屋まで歩く。18時頃霧の中に小屋が見えた時は本当にホットした。最後から3人目、素泊。非常食を食べて寝る。

*8月10日(火)(晴のち曇)
 竹村新道を経て湯俣温泉へ下る。半ば諦めていたが、野口五郎岳の山頂でガスが晴れたので、山頂にいた10人ほどで5時8分頃ご来光を拝む。朝焼けの槍はアルプスのシンボルだ。南真砂岳6時55分。花を楽しみながら下り、湯俣温泉の晴嵐荘着10時半。一風呂浴びて、ビールとそばを舌鼓。至福の時であった。次回は山仲間とゆっくり登ろう。
 高瀬ダムへの道は気分こそ軽やかだったが、山の名残から足取りはむしろ重かった。(作成者 萩原存)

水晶岳付近より赤牛岳を望む

イワギキョウ

チイングルマ