白神山地はこがねいろ
              日時:2009年10月13日〜16日            (掲載日:2009.11.8)

十二湖リフレッシュ村

青池

日暮れの池

ブナ林

中腹のブナ林

日本海の眺望

十二湖分岐辺りから

ブナの原生林

山頂から、遠方は岩手山
海端の露天風呂
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 今年10月中旬、老友と4人で白神山地を訪ね、主峰・白神岳(1235m)に登った。
  13日(火)、東京駅発6時56分の新幹線こまち1号に乗る。秋田駅でリゾートしらがみ3号に乗り継ぐと、バスケットの町として有名な能代辺りは雨曇り。週間予報では秋田県北部の天気は曇か雨だったので、残念ながら好天を諦めた。ところが、十二湖駅(13時12分)に着いたら秋晴れ。予報が外れてラッキーだった。

 駅から十二湖リフレッシュ村「アオーネ白神十二湖」まで宿の迎車で約5分。運転手から「アオーネ」とは「青」とからめて、「また逢いましょう」の意と教わる。管理事務所に荷物を預け、その車で鶏頭場の池へ行く。そこからブナ林に点在する湖を巡った。殊に、神秘的な青緑色の青池や大崩山を湖面に映す日暮れの池が印象的だった。当リフレッシュ村には温泉もあり、宿泊した2階建のログハウスもなかなか良かった。

 14日(水)快晴。白神岳登山。朝食は7時からのため7時半に出発する。宿から標高約200mの登山口まで約15分だが、無料送迎はあり難い。乗客は地元ガイド、中年外人と我々だけ。駐車場には既に車が10台ほどあった。10分ほど登ると旧登山口に着く。ここからブナ林に入ると緑葉が陽光に光って清々しい。登るにつれてブナ林に黄味が増す。標高841mのマテ山からは山稜になり、眼下に日本海がずっと見えてくる。十二湖分岐まで登ると展望は四方に開け、ここから山頂までなだらかな稜線である。眼下に日本海と、淡い赤が混ざり黄金色に輝くブナ原生林が広がる。登山口から山頂まで3時間半かかりきっかったが、ブナ林の見事な色彩に疲れを癒された。

 頂上に着くと先の外人とガイドが休憩していた。イギリス人だったので「イギリスの最高峰ベン・ネビス(1344m)に登った」と言ったら急に気安くなった。彼は「標高は白神岳とほぼ同じだが、ベン・ネビスには樹木はない。樹木の美しい日本の低山が好きだ」旨のことを言った。下山して宿へ戻り、夕方タクシーで黄金崎の「不老ふ死温泉」へ向かう。田舎臭い名前から鄙びた湯と想っていたら立派な旅館だった。白神山地が世界自然遺産になり繁盛していた。日没後の到着になり、人気の露天風呂には入れなかった。

 15日(木)快晴。早朝、海端の露天風呂に入る。日本海の彼方に霞む異国を眺め、波音を聞きながらの入浴は野趣にとみ、大いに満足した。この後、五能線沿線の美しい海岸風景を楽しみながら五所川原へ回って、太宰治の斜陽館等を見物し、弘前で泊まった。
 夕食は津軽三味線の生演奏のある郷土料理店でとる。女性奏者4人による、津軽の厳しい風雪に鍛えられた力強い音色は迫力があった。
 料理も美味しく、白神山行のフィナーレとなった。(吉田 博至記)