千葉県・房総半島の房州アルブス
              2008年1月24日  

            
(掲載日: 2008.2.5)

  案内図  

山上の鹿原部落

道標

地獄のぞき

最高地点の三角点

富士山

丹沢遠望

横浜方面?

南登山口の道標

道端の水仙

落日と富士
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 全国各地にごまんとある○○富士は、概して秀麗な独立峰が多い。それに比べると、○○アルプスは少ない。山脈や連山のイメージがある○○アルプスは、北・南アルプスは別として、沼津アルプス、鎌倉アルプスぐらいしか知らなかった。

 千葉県の房総半島にもアルプスがあると聞いて驚いた。ウソだろうと信じられなかったが、アルプスの名に惹かれてバスツアーに参加した。
 アクセスは志駒川に沿って走る県道182号(もみじロード)から入る。林道鹿原線入口から歩きはじめ、尾根道をしばらく歩くと、鹿原部落からの登り口に、「房州アルプス登山口」の道標があった。さらに進むと古い愛宕神社、「地獄のぞき」の断崖があり、巾1m程の馬の背が4ヶ所あった。木立の中の落葉の道は、雨上がりで滑りやすかった。山中分岐の露岩のテラスからは展望が開け、東京湾越しに見る横浜、箱根、白い富士山や丹沢は良かった。東方には平凡な山波のなかに、清澄山がちょこんと目立っていた。

 標高267mの最高地点は無名だが、草むらに二等三角点がある。内台から綺麗な水仙の花をみながら鄙びた山中温泉・陽気の湯へ下山した。また、帰路のアクアラインの「海ほたる」では素晴らしい東京湾の落日に出会い、僥倖の一日であった。

 帰宅して調べると、インターネットや山と渓谷社の『千葉県の山』に載っていた。房州アルプスの場所は、富津市郊外の梨沢と志駒川に挟まれた鹿原から保田見へ続く辺りの尾根。ここには古くから房州アルプスと呼ばれる、洒落た名の生活道があったらしい。車社会になって一時忘れ去られていたが、有志により整備されたそうである。各地に個性的な「○○アルプス」が生まれれば、アルプス巡りも楽しいだろう。(青木・吉田記)