回想のリスイ山(2,499m)
  
  (ポーランドの最高峰)
                (2005.6.17作成)

  タトリ山地の山々    

民俗音楽・舞踊を
 楽しむ子供達

ザコパネのメイン通り

チャルヌイ湖
よりリスイ山

  
岩稜の登り       
                *写真はクリックすると大きくなります。

 1997年8月当クラブの村瀬さん、並木さん、現地登山ガイトと4人で、スロバキアの最高峰ゲルラホスキー(2,655m)に登った。山頂から晴れ渡ったタトラの山々を眺めながら、何時の日かリスイ山に登りたいと密かに思った。2001年7月上旬ポーランド旅行の 途中その念願を果たした。

 国土の90%が平坦なポーランドも、スロバキアとの国境地帯にはアルプス景観のタトラ山地がある。その中心は人口3万のザコパネ。「タトラの秋・民俗音楽祭」の開催地としても有名。古都クラクフからバスでザコパネへ入り、まず観光案内所へ。若い女性から「難しい山ではないが、急峻なため丸1日かかるので一番のバスに乗るよう」勧められた。

 登山の目処がついたので街中を家内と散策する。投宿のギエモント・ホテルの横では、民俗衣装の子供達が、音楽・舞踊をして投げ銭を稼いでいた。また、次のようなハプニングもあつた。3歳位の可愛らしい女の子が、前方からよちよち歩いて来た。我々を見て立ち止まり、大きな目玉で睨んだ。肌色の違に驚いたのか、泣きながら両親の元へ走った。若い母親は子供を抱き上げて、申し訳なさそうに「Sorry」と謝った。

 翌朝は6時10分の始発に乗る。バスの終点から登山口のモルスキェ・オコ湖まで、鬱蒼たる森の中を一人10k歩く。湖を過ぎると鎖場の多い急峻な岩稜が続く。時々小雨が落ちるが、岩は固いので危なくはない。途中から、ザコパネの山荘で夏休みを過している高校生姉妹・伯母の3人組と一緒になり、後先になって登る。腰痛後の久々の登山疲れと終バスが気になり、8合目で登頂を諦めて休んでいた。そこへ登ってきた英語の上手な姉妹から「頂上は直ぐなのに、どうして止めるの?」と言われて奮起した。これがなければ、山頂を踏むことはなかったであろう。

 下山後はモルスキェ・オコ湖で彼女達と別れ、馬車乗場へいく。馬車引きには、How much?が通じなかった。すると乗客達が荷台の上から、両方の手の平を1回、片方を1回広げて親切に教えてくれた。料金は15Zt(約450円)。馬車に揺られてバス乗場へ下り、ザコパネへ帰った。ホテル帰着は8時。僥倖の一日だつた。

 帰国後写真・絵葉書などを姉妹に送った。その後高校を卒業した姉からの便りにると、ベルリンで仕事を探しているが、ドイツ語ができないので仕事がないらしい。自国語だけで生活できる国は恵まれていると思う。(作成者 吉田博至)