冬のソナタ・丹沢通信A  
       全山見事な霧氷

                          2005年2月25日作成

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ブナの巨木@

全山霧氷A

鹿の親子?B

ブナの根C

冬のソナタD

鍋割山からの展望E

 茜のブナF

 当クラブの萩原さんから、2月の丹沢を歩きたいとのメールが入った。残念ながら家事都合で同行できなかったが、翌21日に大倉尾根を登った。

 登山道に入る手前の大倉の集落では、水滴の残った蝋梅が陽光を受けて鮮やかだ。民家の庭で顔を出したフキノトウに早春を感じた。前々日の雪は融けるのが早く、堀山の家までまったくない。

 そのうち、植林された杉や檜の緑葉が白くなってきた。鹿よけの針金も霧氷を付け、撮影意欲をかきたてる。花立山荘まで来ると、もう辺りは純白の世界だ。
 これまで50回以上も登っているが、全山霧氷の丹沢は初めて。塔ノ岳の尊仏山荘で昼飯を済まし、鍋割方面に向かう。

 途中でブナ林に入る。行きつ戻りつ、独り心いくまでさまよい歩いていると、獣の足跡は鹿だ。雪の上の糞にも趣を感じた。

 夏の豊かな緑葉は今はなく、その代わり霧氷が冬の華である。素晴らしいを連発しながら撮る。初夏に撮ったブナの巨木は見事な霧氷を付けていた。(写真@)

 霧氷のブナを撮りながら鍋割への小径を歩く。鍋割山も全体が霧氷で、純白の世界!(写真A)

 撮って更に進むと、遊ぶ2頭の鹿を発見。雰囲気から親子か?
 警戒させないように近づいて、銀塩とデジタルの2台のEOSで納得行くまで撮らせてもらう。いくつかのポーズを取ってくれた。40カットほど撮ったら、もういいですか?とでも言い残すように、2頭は白い世界へゆっくり歩いていった。(写真B)

 途中で見た根の周りの雪解け、木が生きている証拠だ。(写真C)

 鍋割山荘手前の霧氷の中の雪道で、なぜか冬ソナで観たシーンを想起した。(写真D) 

 鍋割山荘は営業中の文字が見えたので入ったが、あいにく草野さんは降りた後だった。お茶を勧められたが、撮り続けたかったのですぐ小屋を後にした。

 西方の雲間から斜光線が山なみに射し、霧氷とマッチして絵になっている。大きい富士は裾野だけしか見えないが、思い出の愛鷹山はくっきり。(写真E)

 引き返す 途中、またブナ林の中で道草する。霧氷のブナの彼方には、雲間から沈んだであろう太陽の茜色があった。(写真F)
 
 花立から下る途中、秦野盆地の鮮やかな夜景と13夜の月が、樹林の中から見え隠れする。

 山に魅せられっぱなしのわが身をありがたく思いつつ、充実した山行を終えた。(外間喜明記)