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 小さな島の低山 賀陽山(がようやま)(293,9m) 
     沖縄・伊平屋島(いへやじま) 
                      
 (2005.2.4掲載)


@賀陽山

A賀陽山の案内板

B賀陽山の山道

C伊平屋灯台

D伊平屋海岸美
E伊平屋の海
*左の写真はクリックすると大きくなります。 

 僕のふるさと沖縄には、大小160もの島々があって、有人島は約40。僕は里帰りの度に新たな島に足を伸ばすようにしている。伊平屋島は海洋博会場跡地のある本部半島の北の海に浮かぶ。南北に細長く、小さい島の割には山が多いので、山が心に宿りついた僕にとって気になる島のひとつ。去年の12月上旬の里帰りで歩いた。運天港から出るフェリーは1日2便。80分の船旅にも趣がある。幸い快晴で、島に着く前から、賀陽山は特徴があってはっきり識別できた。(写真@)
 
 200メートル級の低山が数座あって、賀陽山が島の最高峰。その山に登るため伊平屋島に渡った。島には民宿も含め、安価な宿屋が結構ある。宿屋の人に登山道を聞いたら、「あの山は危ない。遭難者が何人も出ているから単独では止した方がいい」とアドバイスを受ける。ガイドブックにも出てないから、登山口までが判り難い。登山口手前の農道には、「賀陽山自然環境保全地域」の看板。(写真A)

 それによると、30年前に県が指定している。小さなダムを右に見ながら斜面に付けられた小径を行くと、小さな沢。それを渡ったところでルートの判別がつき難い。それでも冷静に見ると、印を発見できる。
  道はないように思えるがきちんと付けられている。クバなどの沖縄独特の亜熱帯植物が茂る中を行く(写真B)。大きなツワブキが咲いていた。

 やがて、海が見えてくる。山頂からは島の山の恩恵、海の眺望を堪能する。島の北端にある伊平屋灯台は沖縄県最北端の灯台で、海に突き出たようだ(写真C)。

 同じ道を下る。海岸沿いにある宿屋から全行程2時間もかからない低山だが、充実感を味わった。翌朝、朝飯前にもう一つの山の腰岳を登った。その下り、賀陽山の堂々とした山容を見たが、それは田んぼ道を通って、宿屋まで続いた。朝食を済ませて、1時の船の便まで、レンタカーで海岸線を島一周する。手付かずの海岸が素晴らしい(写真D)。

 前日賀陽山頂からみた伊平屋灯台はクバ山にあって、そのクバ山からは海の中に沖永良部島がくっきり浮かんでいた。架橋された野甫島からの、さんご礁の海と伊平屋島の景色は賞賛ものだった。12月だというのに、夏のイメージの白い砂浜、さんご礁の碧い海。(写真E)命の洗濯には充分過ぎるほどだ。

 戻る船から飽かず眺めた伊平屋島の山々。やがて水平線だけになったと思ったら、船は前日早朝に渡った古宇利島(こうりじま)の脇を通って、天然の良港の運天港に滑り込むように入港した。(作成者 外間喜明 (ほかまきめい) )