*写真はクリックすると拡大します。
おわら風の盆と天蓋山を訪れた後、旅の最後に向かったのが富士見台である。富士見台は、園原インターから直ぐの「ヘブンそのはら」から簡単に登ることが出来る。「ヘブンスそのはら」には富士見台高原ロープウエイとリフト(往復3,900円)があり、ヘブンス高原バス(片道500円)まで利用すると、標高1590mの萬岳荘まで一気に登ることができる。私たちはそのようにしたので、富士見台山頂(1739m)まで標高差150mを登ればいいことになる。
萬岳荘をあとにしたのは10時23分。遊歩道をゆっくり歩いて神坂峠分岐に着いたのは10時36分。一投足で神坂小屋だ。2棟あり、下の棟にはトイレがある。清掃費100円が必要だが、こんな山頂近くのトイレが水洗なんて驚きだ。手洗い水もあり、快く100円を投入した。見渡す限りチシマザサの高原で、ヨツバヒヨドリ、ヤマハハコ、アキノキリンソウがところどころ咲いている。今日は晴れ。チシマザサの途切れた山頂部が青空に映えている。富士見台山頂には10時54分に着いた。たった21分のアルバイトで、登山どころかハイキングともいえない。だが展望は素晴らしく、これぞシニア百山といってもいい。同行の山仲間に山座同定を教わる。左手、北方に南駒ヶ岳と木曽駒ヶ岳、越百岳などの中央アルプス、その右に小秀山、奥三界岳などの御嶽山の展望台、御嶽は雲に隠れて見えないが、その右に蓼科山や赤岳など八ヶ岳山群、さらに右には甲斐駒ケ岳、北岳から光岳、笊ヶ岳など南アルプスの巨人たちが居並んでいる。恵那山が眼前に膨大なマッスを見せて蟠っていた。これら曾遊の山々を山座同定し、思い出に浸ることは何物にも代えがたい喜びである。案内人、そして山座同定していただいた山仲間に深く感謝したい。
帰路はさすがに歩き足りないのでバスを割愛し、リフトまで歩くことになった。神坂峠は古道・東山道の峠となっており、標識には「此の峠は標高一五八五メートルあり、古くは信濃坂とよばれました。昭和四二年、四三年発掘調査が行われ剣・鏡などを形どった滑石製の模造品や玉類、鉄製品などが発見されました。・・・」とあった。下山後は、昼神温泉の「湯ったり〜な昼神」で汗を流す。飲用もできる温泉で、硫黄の香りが微かにした。温泉で汗を流した後、妻籠宿、馬籠塾を見てから帰京の途についた。
(記 山本 進吾)
|