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*地図:父島南部(出典:国土地理院サイト)
片道24時間の船旅で小笠原諸島に着いた翌日、村営バスを利用して島南部の小港まで移動。高山の三角点に触れて南東に辿り、千尋岩の断崖を横から眺める事にした。
小笠原村役場前を7:45の村営バスで出発して、終点の小港に8:05に到着。そこからビロウジュやアダンなどの生い茂る登山道を登り、中山峠に出ると右手に小港海岸、左手はブタ海岸の展望が開けたので一息ついた。峠からブタ海岸まで一下りして、標高0bから山腹を巻くように登り返し、尾根に出てから標高点120圏でジョンビーチへの径を分ける。さらに尾根路を直登していくと、落石の音がした。野生化した山羊によるものだろう。やがて灌木が途切れた高山の肩に出て、山頂の三角点に触れたのは9:52だった。ここは絶好の展望台で、南西には平たい南島、北方には二見湾、東には標高こそ300b程度なのだが、峩々とした衝立山の山容に見とれてしまった。
尾根路を南東に辿り千尋岩を真横から眺める展望台に出たが、まさしく千尋の断崖で垂直に円縁湾に切れ落ち、足がすくんでしまった。しばらくこの絶景を楽しんだ後、ジョンビーチに向かったが、海岸に降りる直前で今までの火成岩から、石灰岩に足元の岩盤が変わった。浜に降りたのが11:35だった。ここはウミガメの産卵地とされていたが、砂に岩塊が混じっていた。岩に腰を下ろし昼食を食べた後に、高山の山腹に付けられた巻道を辿りブタ海岸に降りる。そして中山峠を越えて小港に戻ったが、八瀬川の橋にはムラサキオカヤドカリがいた。そこから海岸に出て枕状溶岩を観察し、砂浜に打ち寄せる波に戯れて、小港始発15:15のバスの乗客になった。
(記 富永 之廣)
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