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*地図:霧ノ塔@秡川〜中ノ芝(出典:国土地理院サイト)
霧の塔A中ノ芝〜霧ノ塔(出典:国土地理院サイト)
何処の紅葉の山に行こうかと思っていた処で知ったのが、苗場山の登山リフト。駐車場のある祓川から下ノ芝の近く迄、送迎車とリフトで簡単に上がれるというのです。稼働は土日の6時〜8時迄の2時間だけですが、約90分の短縮が図れます。苗場山には3回登っていますが、神楽峰手前の分岐から小松原湿原方面へ延びる道を、何時か歩いてみたいと思っていた処でした。
東京の自宅を3時前に出発。5時半頃に祓川登山口に到着すると、駐車場には既に沢山の登山者の車が停まっていました。手早く装備を固めて林道ゲートに向かうと、係の人が登山リフトの利用者は、リフト乗場まで送迎してくれると言います。送迎車で和田小屋の先にあるリフト乗場まで運んでもらい、高速クワッドリフトで一気に高度を稼ぎます。「下の芝」迄10分の所にある山頂駅に着いたのが6時7分でした。料金は送迎込みで2300円ですが、利用価値大です。
リフト山頂駅から歩き始めて直ぐの「下の芝」では、草紅葉が始まっていました。そこから20分ほど登ると、森林限界を抜けて低木帯となります。そして到着した「中ノ芝」。この辺りの紅葉が丁度見頃でした。ナナカマド等の低木が真赤に紅葉していて、「これが見たくて登ってきた」と言っても良い位の景色です。振り返ると一面の雲海。これもリフトで時間を稼ぎ、早朝に登る事が出来た御蔭で見ることが出来た景色です。
「上ノ芝」の直ぐ上にある小松原湿原への分岐を曲がると、登山者の殆どいない静かな道になります。苗場山登山道分岐から迎える最初の谷筋が少し歩き辛い道でしたが、そこから先は笹の刈払いもされた歩き易い道が続きます。分岐から歩く事1時間で、「大日陰岳」というピークを越えてからは平坦な道となり、視界が開けた笹原の先にある低木の塊が、三角点のある「霧の塔」の山頂でした。三角点の石の上に、山名を記した看板が置かれただけの地味な山頂です。低木と笹で山頂からの展望がないのが残念でした。展望のある草紅葉の所まで戻り、一本立ててから下山の途に着きました。
この日は神楽ヶ峰の肩から霧の塔を往復しましたが、霧の塔を越えて小松原湿原へと至る道は、静かで趣のある登山道です。何時の日にか季節を変えて、小松原湿原側から歩いてみたいと思った霧ノ塔です。
(記 平尾 肇)
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