*写真はクリックすると大きくなります。※付きは拡大写真をclickで更に拡大する。 本社ヶ丸・清八山行程map
八王子始発の松本行に乗車して、笹子駅に着いたのは7:33。待合室には『笹子駅開業120周年』のポスターが掲示されていたが、無人駅になって久しい。若き日、ここの駅を通過する各駅停車には名物の“ささごもち”の販売員が乗車していたものだ。遠い記憶がよみがえったが、今は昔といった情景だ。
駅を出て線路わきの林道を西に向かう。小川を渡ったところが登山口で、取り付くといきなりの急登行だ。足元を見つめながらミシミシ登って行くと、穏やかに尾根が広がり植林地の中に三角点標石があった。檜の幹には手製の『庭洞山』のプレートが括られていた8:47。
平坦な尾根径を辿り黒野田林道を横断し、急斜面を登ると尾根が細くなり1136㍍の送電鉄塔に出た。ドングリの沢山落ちた細い尾根をさらに登って行くと、大きな水楢の切り株が点在した伐採地に出たが、西方の鞍部に北岳の白い頂、穂高連峰、赤岳から横岳が覗き、北方には滝子山から大菩薩連嶺と対坐することが出来た。1200㍍からはまた急登行になり、縦走路に出たのが9:54だった。
次は本社ヶ丸までだと一下りして、登り返すと巨大な鉄塔が聳えていたが、その先は山毛欅の森となり巨木も見られた。本社ヶ丸東峰の穏やかな高みを過ぎて、岩塊から本社ヶ丸の西峰(標高1631m)に飛び出したのが11:11で一息入れた。しかし、昼食は清八山(標高1593m)だと尾根道をたどり、11:58に赤松の枝の下に富士山を見据える岩に腰を据えた。西方の御坂山塊の向こうには、赤石山脈の三千㍍の峰々が連なり、甲斐駒ケ岳と八ヶ岳の間からは穂高連峰も望まれる。そして秩父主脈から大菩薩連嶺へと連なっている。ジェット機音に真っ青な空見上げれば、一筋の航雲が西に延びていく。
山々を眺めながらノーンビリ昼食を楽しんでいたが、白根三山辺りから巻雲が流れ始めたのを機会に下山を開始したのが12:50。そして笹子駅に戻ったのが14:59だった。(記 冨永之廣)
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