栗駒山の黄葉を愛でる スケッチ山行
   須川高原温泉登山口→名残ヶ原→苔花台から昭和湖往復→栗駒山→天満尾根→秣岳→秣岳登山口
   
        日程:2022年10月6日(木)   (掲載日:2022年10月27日)

       

源泉噴き出す須川登山口

ウルシの紅葉

名残ヶ原の草黄葉

昭和湖は黄葉を映していた

オオカメノキの紅葉
              

山頂付近の灌木には霧氷

哀れな一等三角点・酢川の標石

ガスが取れ始めた※

秣岳との鞍部を俯瞰した

れたカエデやかだった

振り返り見上げた
1573峰

小さな岩峰は まるで
モンサンミッシェル※

彼方に鳥海山

秣岳より北方の山脈は
まだ雲の中

秣岳登山口に向かって
下る※

   *写真はクリックすると大きくなります。※付きは拡大写真をclickで更に拡大する。      栗駒山・秣岳map


6:30に須川温泉の露天風呂そばの登山道に取り付いたが、すぐ脇を噴き出した温泉がバシャバシャと流れていたので、手を突っ込んでみたらちょうどいい温度だった。名残ヶ原の湿原は 草黄葉の盛りで、木道が正面の谷間に向かって延び、昭和湖への分岐点の苔花台だ。普段はここから先は立ち入り禁止になっているが、期間限定で、ガス濃度が測定管理されて通行が許可 されていた。昭和湖に着いたのが7:20。湖は小さな火口湖でエメラルドの水面に黄葉を映していた。苔花台まで引き返す。右手遠くに霞んだ頂は早池峰だろう。

ゼッタ沢を渡るとオオカメノキの紅、ナナカマドの朱、イタヤカエデの橙とこの辺りは赤い色の競演であった。やがてハイマツが現れるようになるとドウダンツツジの枝先には霧氷の花が 咲いた。それから傾斜がきつくなりポッカリ広がった栗駒山頂(1627m)に到達したのが9:30頃で、一等三角点・酢川の標石に触れた。頂を後にすると左手の灌木に霧氷の花が咲いて、 北から吹き上げてくる風で体温が奪われる。1573峰から降り始めると、ガスが切れ、眼下に黄葉の海が広がった。下地は笹のモスグリーンにハイマツの濃い緑。これにナナカマドの朱色や 楓の橙、楢の黄色がダンダラ模様に混じる。まさしく日本一の紅葉だ。

1333の鞍部に向かうと、秣岳(まぐさだけ)の雲も取れて眼前にはたおやかなる稜線が延び、右手下には国道と須川湖が俯瞰できた。最低鞍部から笹原の中の登り返しになるが、草黄葉 の中に木道が一筋、小さな岩峰に向かって延びて、まるで小さなモンサンミッシェルのようだ。11:53岩峰まで来ると四周の展望が得られ、栗駒山を見上げると1573峰の北面が薙ぎ落ちた カルデラで、さらに岩屑なだれが起きた地形らしい。須川温泉は岩屑なだれの上に出来た溶岩ドームの恩恵のようだ。ここは栗駒山と須川温泉の成り立ちを見ることのできる絶好の展望台 だった。さらに西方彼方の雲間に鳥海山の頂が覗いた。秣岳(1424m)で一息入れた後、秣岳登山口に下る。登山口に降り立ったのは13:20だった。 (記 冨永之廣)

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