岩手山 スケッチ山行
  松川キャンプ場→姥倉山→鬼ヶ城→不動平→山頂(薬師岳)→平笠避難小屋→御釜湖→松川キャンプ場
    
      日程:2021年10月3日(日)   (掲載日:2021年11月28日)

       

松川キャンプ場の山毛欅

姥倉山から秋田駒ヶ岳方面

鬼ヶ城の奥に岩手山※

鬼ヶ城から岩手山※

不動平避難小屋
              

火口の南東縁※

薬師岳の一等三角点標石

岩手山火口南部

山頂から御苗代湖

御釜湖は小さな火口湖

黄葉を映す御苗代湖

お花畑の紅葉

大地獄谷湧水やかだった

キャンプ場近くのミズナラ

暖を取るキリギリス

   *写真はクリックすると大きくなります。※付きは拡大写真をclickで更に拡大する。    岩手山登山 松川コース


5:25に松川キャンプ場を出発した。登山道は色づき始めた山毛欅に水楢、五葉松も混じる豊かな森の中だ。無風快晴のなか急登行に喘ぎながら振り返ると、裏岩手連峰から八幡平への山脈が続いている。やがて穏やかになると姥倉山の頂で、南面眼下には黒木と広葉樹の混交した樹海が広がっている。左手には朝日を背景にしたシルエットの岩手山がはるかに高く、手前のピークからは蒸気が見られる。 網張からの登山道の合流点には『登山道は、地温の高い場所を通っています。高温で軟弱な熱泥箇所があり・・登山道の近くに空洞や噴気孔があります・・・』の注意札があった。切通しに出ると左手に屏風尾根の岩塔が見え、谷底の樹海の中に御苗代湖が覗いている。鬼ヶ城のアップダウンの足元は火山弾の堆積物なので全く滑らない。

鬼ヶ城を越え不動平に下り、馬返し口からの登山者の列に加わった。火口縁に出て右回りに辿ると、南東の彼方に早池峰山が確認できた。中央火口丘を左手に見てゆっくり登り、最高点の薬師岳の一等三角点標石に触れたのが10:51だった。360°の展望で北方に霞むのは八甲田だろうか。この山域の知識が乏しく山座同定が出来ない。北西足下の避難小屋には登山者が憩い、屛風尾根の岩塔に向かって登山道が印されている。谷底の御田代湖は火口湖の青い瞳だ。

その青い瞳に向かって平笠避難小屋を経て火口底へと下った。御釜湖は木々に埋もれた小さな火口湖で、御苗代湖は開放的で漣が立ち、紅葉と黄葉に緑の針葉樹の対比が見事だ。お花畑では鬼ヶ城の岩壁を背景にカバノキの黄葉、ナナカマドの紅葉、そしてトドマツの濃い緑が秋の陽を浴びて輝いていた。大地獄谷を下り始めると河原になり、鮮烈な清水が噴き出していたのでコップに汲んだ。冷たくて火山地帯の水とは思えない爽やかさだ。山と高原地図をに“水”のマークがないのが不思議だと思ったら、10mほど下流からは川床が温泉のような状態になっていた。 15:52キャンプ場に戻ると日の当たったテントにキリギリスが暖を取っていた。 (記 冨永之廣 )