*写真はクリックすると大きくなります。 ※付きは拡大写真をclickで更に拡大する。 奧穂高岳(地理院地図)
5月の10連休後、10日バスタ新宿発の夜行バスで東京を出発して、11日早朝、上高地に到着した。
おにぎりを食べ、上高地を6時に出た。行き交う人も疎らな静かな林道を行く。途中、人を恐れぬ野生の猿たちに出会う。明神館、徳沢、横尾でそれぞれ休憩し横尾大橋を渡って、谷筋を登り本谷橋に辿り着く。ここから本格的な雪原が続く。大きく左に回り込んで急登を我慢して登り、涸沢ヒュッテが見え出し、やっとの思いでテント場に13時に着いた。早速、テラスにて生ビールで一人乾杯である。最盛期には300張りのテントがあったというが、この日は30張り強で静かに夜が更けた。
12日、奥穂高岳の往復だけであるので、ゆっくりと6時に出発する。天気は快晴で上々のコンデション、急斜面をひたすら我慢して登る。先行者が2名いた。穂高岳山荘に8時30分着。休憩して目の前の岩場と雪壁に向かう。ハシゴと鎖の岩場を越えると雪面である。先行の2名はこの雪面の角度を見て無理と判断して下っていった。僕は足場を確保してピッケルを刺してホールドにして慎重に登りきったが、まだ先は遠い。ピッケルの遭難碑を見て山頂直下の雪面も慎重に登って10時30分山頂に立った。360度の大展望を独り占めである。さて、下りこそ慎重を要する。2カ所の急雪面は息を詰めてクライムダウンで下り、穂高岳山荘に12時10分に戻った時は思わず力が抜ける思いであった。あとは尻セードーを楽しみ、涸沢ヒュッテのテラスでこの日も一人乾杯である。
13日、テントをたたみ、涸沢ヒュッテ7時30分発。穂高神社に寄り上高地・小梨平キャンプ場に13時にテントを張った。風呂は格別で、生き返った思いであった。
14日、大正池を散策してから上高地バスターミナルを夕刻発のバス便で帰京して、静かな雪の奥穂高岳登山の幕を降ろした。 (記 大久保 博)
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