(図書紹介) 外間喜明著
      うちなー讃歌 沖縄戦終って六十年目に      掲載日 2005年8月5日
 

表紙

裏表紙

守礼の門は(25〜26頁)

母の足(45〜46頁)
       *上の写真はクリックすると大きくなります。

 沖縄戦(いくさ)終って60年目に          
  
当クラブの外間さんが素晴らしい本を出されました。一読して感銘を受けたので皆さんにもぜひ読んで貰いたいと思い、
 ここに紹介いたします。

この本は写真集でもあり詩集でもあり、巻末に散文が載っています。写真はすべて著者が帰郷の折に撮ったもので、沖縄の自然や風物を始め、文化と伝統の美と動が表現され,なかでも海の青さが印象的です。写真と詩が一体となってよい調和を醸し出し、読み易い詩と共に誰でもその世界に入って行けます。高年者に優しく字が大きいのが良いです。

読み進むうちに著者の望郷の念と沖縄を通しての平和への願い、絶対に戦争をおこしてはならない、著者の過酷な経験のなかから生まれた心底からの叫びが聞こえてきます。副題にあるように「沖縄戦(いくさ)が終って60年目に」この本が出されました。

 沖縄戦で父と兄を亡くし、生死の境をくぐり抜けた母の愛の力で、今の著者がある。「ゼロ歳の僕の沖縄体験から」は、戦場がいかに悲惨なものであったか、軍隊とは誰のためにあったのか、庶民にとって沖縄戦とは何だったのか、母から聞いた著者の体験談をぜひ読んで欲しい。

平和が甦った戦後も、友達がかすかに見える与論島を見て「祖国が見えるぞー」と叫んだ詩、その切実な言葉に私も胸を痛めました。でも、沖縄のこころを映した美しい写真と詩を見ていると、未だ沖縄に行ったことのない私も一度訪ねてみたい気持ちにさせられました。

戦後60年の節目に同書を手に取ることは意義あることと思います。(村瀬忠男 記)

2005623日初版発行  発行者 外間喜明
 
 A5判 116頁 定価 ¥1500